「除湿の方が電気代が安い」とは限らない
夏場のエアコン運転でよくある疑問が、
「冷房と除湿、どっちの電気代が安いのか?」というものです。
一見、「除湿=弱めの運転=節電」というイメージがありますが、実はそう単純ではありません。
エアコンの除湿方式の違いによって、冷房より高くつく場合もあるのです。
実は2種類ある「除湿」の仕組み
エアコンの除湿には、大きく分けて2つの方式があります:
1. 弱冷房除湿(ノーマルタイプ)
- 空気を軽く冷やして湿気を取り除く
- 再加熱せずそのまま吹き出す
- 消費電力は比較的少なめ
家庭用エアコンの多くはこの方式を採用しており、冷房より電気代が安く済む傾向にあります。
2. 再熱除湿(高機能タイプ)
- 空気をしっかり冷やして湿気を除去
- 冷えすぎを防ぐために再加熱して送風
- 消費電力は冷房よりも高くなることが多い
再熱機能を備えたエアコンは、特に高級モデルに多く、温度を下げずに湿度だけ調整できるのが特長ですが、
その分加熱のために電力を余計に消費します。
消費電力量を比較(実測ベースの目安)
運転モード | 1時間あたりの電力消費 | 電気代(30円/kWh換算) |
---|---|---|
冷房(26℃設定) | 約500W(0.5kWh) | 約15円 |
弱冷房除湿 | 約300〜400W | 約9〜12円 |
再熱除湿 | 約600〜800W | 約18〜24円 |
※あくまで目安であり、実際の使用環境や機種によって変動します。
結論:電気代の安さは「除湿方式」と「使い方次第」
- 弱冷房除湿なら、冷房より安くなるケースが多い
- 再熱除湿は、冷房よりも高くなる可能性が高い
- 設定温度を下げすぎる冷房より、湿度だけを下げる除湿の方が快適+節電になることも
冷房と除湿、どちらを選ぶべき?
状況 | 推奨モード |
---|---|
気温が高く室温を下げたい | 冷房 |
湿度が高く蒸し暑いが涼しい | 弱冷房除湿 |
夜間や梅雨で冷えすぎが心配 | 再熱除湿(冷えにくい) |
快適さを保ちつつ節電したい | 自動運転+除湿併用 |
電気代を抑えるためのポイント
- エアコンの除湿方式を必ず確認する(取扱説明書または公式サイト)
- サーキュレーターで冷気や乾いた空気を循環させる
- 自動運転を活用して、冷やしすぎ・除湿しすぎを避ける
- 日中は冷房、朝晩や湿度対策には除湿など、時間帯での使い分けが効果的
まとめ|除湿が安いとは限らない。見極めのポイントは「方式」と「環境」
冷房と除湿、どちらが安いかは一概には言えません。
エアコンの機種や除湿方式、運転時間、室内環境によって、電気代は大きく変わります。
- 弱冷房除湿 → 節電したい人におすすめ
- 再熱除湿 → 快適さ優先の方向け(ただし電気代高め)
- 冷房 → 気温が高い夏日や熱中症対策に最適
**大切なのは「目的に合わせて正しく使い分けること」**です。
エアコンの性能を知り、無理のない快適環境を目指しましょう。
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Q&A
Q1. 冷房と除湿では、どっちの電気代が安いですか?
A.
一般的には弱冷房除湿の方が冷房より電気代が安いです。ただし、再熱除湿機能付きのエアコンでは、除湿の方が高くなることもあるため注意が必要です。
Q2. 自分のエアコンが再熱除湿かどうかはどうやって調べる?
A.
エアコンの取扱説明書、メーカー公式サイト、または型番で検索することで確認できます。
再熱除湿の場合、「室温をあまり下げずに除湿」といった表記があることが多いです。
Q3. 梅雨時や夜間は冷房と除湿のどちらがいい?
A.
室温が高くない場合は除湿の方が冷えすぎを防げて快適です。特に再熱除湿機能があれば、室温を保ちながら湿度だけ下げられます。
Q4. 除湿モードでも寒く感じることがあります。なぜですか?
A.
弱冷房除湿では空気を冷やして湿気を取り除くため、室温も一緒に下がることがあります。
冷えが気になる場合は、再熱除湿を使うか、タイマー運転に切り替えるのがおすすめです。
Q5. 節電重視ならどのモードを使うのが良いですか?
A.
節電を重視するなら、弱冷房除湿+自動運転+サーキュレーター併用が効果的です。
再熱除湿は快適さを保てますが、電力消費が高くなりやすい点に注意しましょう。
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